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妄想科学に侵食される現実基盤の曖昧領域は今日も何処かでギラギラ光る空想科学と軋轢まくって居るのでしょう。
そんなサイバァな御時勢にも関わらず今日も僕は未確認飛行物体感覚なカップ焼きそばを流しにDiveさせてしまったのです。
ターボ湯切りが在るにも関わらず。

さて、そんな感じで今回顔も知らない皆々様に御紹介する映画はSFで御座います。
SF映画と云えば皆様はどんな作品を思い浮かべるでしょうか?

やっぱり痛快娯楽活劇染みた『スター・ウォーズ』でしょうか?

それとも科学への夢と希望に満ち溢れた『バック・トゥー・ザ・フューチャー』でしょうか?

肉密度120%オーバーの『ターミネーター』でしょうか?

奇才『団鬼六』先生の作品を連想する方が居るかもしれませんがそれはSMです。畑違いです。


そんな夢一杯のSFキッズに僕が捧げたい作品こそこの映画なのです。




-★★

1959年に制作されその余りの非道さから何処からも買い手が付かなかったと云うこの伝説的映画の監督はご存知エド・ウッド氏。
そう、映画史に燦然と輝く『死霊の盆踊り』の監督です。
目敏い人ならこの時点で『ゲエッ!』って成るやもしれませんが、大丈夫、この映画はアレよりは幾許かマシだから。

冒頭に『これから話す未来の出来事』と銘打って『あの運命の日に何が起こったか』と捩れ構造で始まるこの映画のストーリーは至って簡潔。
地球人に対して平和のメッセージを送り続けていたにも関わらず無視され倒した宇宙人の人(自称『宇宙兵士』)が何かそれっぽい電波だか何だかで死体を操り人々を恐怖に陥れ(これが所謂『第九計画』)、地球人に自身の存在を知らしめようとするお話。
うん、やっぱわかんねぇ。

宇宙人の人、始終平和主義を謳う割にはUFO(どうみても円盤型だが劇中では葉巻型表記)で破壊活動を転々と行って居るらしいし(この辺説明だけ)、
正直死体を操る意味がわからないしそもそも3体しか操ってないし制御不能になったリモコン大の死体操縦装置は床に落ちたら直るし、
最後は肉弾戦だしその上一方的にタコ殴りされてたし。
なんかコロコロ言う事の変わる良く判らない人たちでした。

周囲を取り巻くアレやコレも相当な代物で、
椅子とカーテンだけで構成されたシンプルな飛行機の操縦席やダンボール製のペッラッペラな墓石。
目まぐるしく切り替わる朝と夜の光と陰。
部下が胸の前で手を交差した後に上司が手を頭の上でくるくる回すと云う斬新な宇宙人の敬礼。(挨拶?)
何度も何度も墓場を歩き回りその度に何度も何度もセットの枝に引っ掛かりまくるキャストたち。
噛み合わない登場人物間の直立不動での会話とその多の人物の手持ち無沙汰っぷりと見所満載です。
その中でも一際精彩を放つのが主演のベラ・ルゴシ氏が撮影開始直後に亡くなってしまった為幾度も使い回される生前のカットとその都度氏の右後ろを通り過ぎる白い車だと思います。
もうホントベラ氏扮する他の映画からフィルムを流用したという吸血鬼にしか見えない格好をしたゾンビ(らしい)がうらぶれた原っぱを歩いて来るシーンが割と無意味に挿入される度に「げえッ!白い車!!」ってDOKIDOKIでしたもん。
そう云う意味では個人的にこの映画MVPは白い車だと思います。
あとそれに託けてずっとマントで顔を隠していたバラ氏の代役のそっくりさん(歯医者らしい)もいい仕事して居たと思います。一度も顔見えなかったけど。

そしてラストの宇宙人と地球人との思想対決の溢るるメッセージ性は我々に鋭く突き刺さるのです。

だいたいこんな感じ↓


宇宙人:お前等は我々のメッセージを無視して爆竹から始まり原爆、水爆を作った。直にソーラ爆弾を作り宇宙全体を滅ぼすだろう。

地球人:ソーラ爆弾……?

宇:太陽はガソリン缶だ!

地:……?

宇:太陽をガソリン缶にたとえる。地球はガソリンに浸っている。地球に点火すると太陽を誘爆、火の粉は太陽光線が届く所に拡大する。つまり、宇宙全体が誘爆を起こす恐るべき爆弾なのだ!

地:???

宇:太陽の粒子が届くところはみんな破壊されてしまう。お前等はソーラ爆弾で近い未来に宇宙全体、いや銀河系を滅ぼし尽くすに違いないのだ!

地:そんなこと、ありえない!

宇:我々はそんなお前達を決して許しはしない!!!

地:く、狂っている……!

~この後乱闘、UFO炎上。~



ここら辺の地球の人が無理って言ってるのに一方的にヒートアップしてターボチャージャーする宇宙人との遣る瀬無い遣り取りは必見だと思ふ。
あと絶対銀河系より宇宙全体の方が大きい。

とどのつまり、この映画は脳内に渦巻く妄想科学に囚われた宇宙人の一人きりの異常なFlight Showだったのでしょう。きっと。
結構居るよね。こう云う人。

そんなこんなでこの映画、一人ならいざ知らず皆で突っ込みながら見る分には結構楽しめました。
少なくとも前回のキング・スパイダーよりはずっとマシでした。

非道い事には変わりないけどな!


「あなたの心臓はこの恐怖に耐えられますか?」 


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